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塾講師が実践する単語の勉強方法とは?

ぽめお

英語の勉強を頑張る学生・社会人に向けて「一緒に英語の上達!」をテーマに、勉強法やテクニックを発信しています。 【経歴】明治大学 ▶︎ ベンチャー企業に就職 ▶︎ 脱サラして英語講師に 【実績】英検1級・TOEIC930・旧帝大合格者輩出 【目標】英検1級・TOEIC990点 ▶︎ TOEIC講師・発音講師

別の記事でも書いた通り、英語は、「単語」「文法」「発音」の3要素に分けることができます。

 

その中でも今日は、塾講師が実践する単語の勉強方法についてご紹介します。

 

効率的な単語の勉強方法とは?

単語って、覚えれば覚えるほど新たに、さらに難易度が上がって立ちはだかりますよね。

 

いつになっても暗記が難しい「英単語」ですが、大事にすべき2つのポイントを紹介します。

 

ポイント① 根性

当たり前すぎて一笑に付されるかもしれませんが、単語は根性が一番です。

 

やり方さえ分かれば後は根性、が一番手取り早いのです。では、根性を持って何をするべきか、です。

 

これは明白です。

 

繰り返し、音読、です。ポイントは、「繰り返すこと」と「音読すること」の2つにあります。

〈どうやって音読するの? ポイントは、発音と例文〉

 

単語を覚える際、高校生以上であれば大抵の人が単語帳を活用していると思います。

 

単語帳の単語を音読するのです。

 

ただ、ここでさらに2つポイントがあります。

 

それは、「正しい発音を知ってから音読すること」と、「例文全体を音読すること」です。

 

英語を習得する工程で、最重要とも言えることは、自分で発音し、自分の声を聞き、脳と体に染み込ませることです。

 

人は、自分の声を聞くことで、言語を学んでいくのです。

 

つまり、自分の声で英語を覚えるということは、自分の発音が正しい英語である必要がある、ということです。

 

とは言え、ネイティブに近い完璧な発音を目指す必要はないのです。

 

間違っていなければ大丈夫です。

 

例えば、"dog"が「ドッグ」や「ダッグ」に近い発音になることはあっても、「デッグ」になることはありません。

 

最初はこの程度の間違いをしなければ問題ありません。

 

正しい発音をするための方法は、「発音記号を見る」ことと、「ネイティブ(や先生)の発音を聞く」ことの2通りがあります。

 

今の時代、持っている人は電子辞書で、持っていなくてもネットで調べればネイティブの発音を聞くことができます。

 

ヘタでも真似ていれば大丈夫ですので、ネイティブの発音にならって音読してみましょう。

 

しかし、毎回発音を調べるとなると、少し時間がかかりますので、余裕がある方は、少しずつ発音記号を覚えていって、発音記号を見るだけで正しい発音ができるようにすれば、大幅に時間が短縮できます。

 

次に、例文全体を音読することです。

 

例文を音読することで、「発音やスペルが似ている他の単語と区別できる」「意味だけではなく使う場面やニュアンスが分かることで実践で使う想像がしやすい」といったメリットがあります。

 

単語だけ音読していると、どうしても「音」と「スペルの見た目」だけで覚える癖がついてしまいます。

 

そうなると、発音やスペルが似ている単語との区別ができなくなってしまったり、単語帳で順番で覚えているがゆえに1ページ先の単語と間違ってしまったりしてしまうのです。

 

「この音で、この意味だと、この例文を使える」という「記憶」を作ることが大切です。

 

英単語の暗記は、人の顔と名前を一致させる作業と似ています。

 

写真と名前を見せられて、顔と名前を覚えなさい、と言われても、長期間記憶を保持するのは難しいでしょう。

 

「メガネをかけている、色白の青年(名前は〇〇)」という「情報」を無理に覚えるしかないのです。

 

しかし、いざその人に会って、言葉を交わすことで、「先週の懇親会で話しかけたら、笑顔で応えてくれて、野球の話で盛り上がった、メガネがよく似合う〇〇くん」という「記憶」が作られるのです。

 

この記憶は、単なる視覚情報と比べてはるかに忘れにくいものであるはずです。

 

そして、人の顔と名前をずっと忘れずに、さらには顔を見ればすぐに名前が出てくるようにするには、どうすればいいでしょうか。

 

そうです、何度も会うことです。

〈繰り返すことが大切? エビングハウスの忘却曲線〉

前項で述べた、名前を覚えるには何度も会うことが大切、という内容ですが、これを英単語学習に置き換えると、繰り返し英単語に触れること、となります。

 

学習業界ではよく使われる、エビングハウスの忘却曲線というグラフがあります。

 

これは、ドイツの心理学者が提唱した、長期記憶についての研究成果です。

 

以下のグラフから、一度覚えた記憶は、少しずつ忘れていくことが分かります。

 

しかし、完全には忘れていないタイミングで復習することを繰り返すと、少しずつ忘れる割合が減っていき、定着率が上がっていくのです。

 

復習を重ねる度に、復習に割く時間や労力が少なく済むようになる、と言い換えることもできます。

これで「何度も繰り返す」ことの重要性が分かりますよね。

 

この「繰り返し」と、「音読」を掛け合わせることで、最強の単語記憶術となるのです。

〈最後は根性論? 単語カードで音読〉

音読を繰り返すことが最強だと分かりましたが、音読するのは単語帳の例文で良いというお話をしました。

 

しかし、今回は一歩進んで、私が独自に考案した単語カードを使った音読方法をお伝えします。

 

単語カードを暗記に使う際、片面に英単語、もう一方に日本語訳を書くのが普通だと思います。

 

私はそうせず、表面に英単語、裏面に単語帳の例文を書きます。

 

そして、以下の手順で単語暗記をします。

 

① 単語カードを20枚〜50枚の束で作る(表面に英単語、裏面に単語帳の例文)

② 単語カードの「英単語面」を見て、発音してから和訳を答える

③ 「例文面」を見て、例文を頭で訳し、答えた和訳の意味で例文の意味が通じたら正解とし、次のカードへ(不確かなら単語帳で答えを確認)

④ 間違った単語は、その例文を音読し、次のカードへ(単語の意味を意識する)

⑤ 全ての単語カードで ②〜④ の工程が終わったら、初めのカードに戻り、再度②〜④ の工程を実施

⑥ ②〜⑤を例文の音読をしなくなるまで繰り返す

⑥まで終わったら、1回あたりの単語勉強は終了です。

 

これを夜寝る前と朝起きた後に1日2回することを強くおすすめします。

 

人間は、夜寝ている間に日中の記憶を整理、定着させます。

 

寝る前に暗記して、ほぼ忘れていない状態で就寝、記憶が定着したかどうかを朝起きて確認。

 

これが私が考える最も効率がいい単語暗記術です。

 

私はこれで、一時期1日200単語を暗記していました。

 

 

することは分かりました、しかし、これを毎日実践することは簡単ではないでしょう。

 

最後は根性。結局は単語暗記は根性がないとできないものです。

 

私は、毎日単語暗記を、より効率的に実施するため、以下の工夫をしていました。

 

この方法は、少しスパルタですが、かなりおすすめの手法です。

❶ 仕事帰り、毎日ドライブで銭湯に行く(ドライブが好きなので毎日できる)

❷ 銭湯にお風呂で使える単語カードを持っていく(施設によってはちょっとしたものでも持ち込み不可の場合があるので要確認)

❸ サウナに入って、単語暗記術の②〜⑥のステップを実施

ルール:ステップ⑥に到達するまで、サウナから出てはいけない

❹ ❸が終われば、水風呂に入って、単語暗記術の②〜⑥のステップを実施

ルール:ステップ⑥に到達するまで、水風呂から出てはいけない、終わればサウナに入る

❺ ❸と❹を時間と精神が許す限り繰り返す(最低3セット)

このやり方で実践すれば、きついですが、間違いなく超スピードで単語暗記ができるようになります。

 

ここでポイントは、毎日ドライブで銭湯に行く、というところです。

 

私はドライブも銭湯も大好きで、毎日行くことを楽しみにできます。

 

その楽しいことを習慣にし、その習慣に単語暗記、という新たな習慣をくっつけたのです。

 

これを、「習慣レバレッジ」と言います。

 

気の進まない習慣でも、楽しい習慣〇〇を実施するならば、同時に気の進まない習慣●●も実施しよう!というルールを作るのです。

 

これは、別の記事で掘り下げますが、習慣化の効果的なテクニックです。

 

また、サウナ、水風呂から出てはいけない、といった危機的状況を作り出すことで、暗記が促進されます。

 

人間は古来から、命の危機に関わる記憶を優先し、その他の記憶の優先度を下げます。

 

毒のある食材はすぐに覚えますが、パートナーが作った安心安全の料理の名前はなかなか覚えられないのです。

 

この事実を逆手に取ったのが私の単語暗記術です。

 

命の危機とまではいきませんが、身体上危機的状況を作り、乗り越えるためには暗記が必須、といういわば一人デスゲームをしているのです。

 

サウナや水風呂が難しい場合は、家の湯船のお湯を少し熱くしてみる、などでも効果的です。

 

どうですか?

 

少し覚えられる気がしてきませんか?

 

ステップ② 辞書・語源の活用

前項では、音読を繰り返す、単語カードを有効活用する、という暗記術をお伝えしました。

 

では、この方法でもなかなか覚えられない場合、ステップ②に進みましょう。

 

ステップ②は、辞書の活用、そして語源の暗記です。

〈辞書を活用する意味 コアイメージ〉

英語学習において辞書の活用は非常に大切です。

 

分からない単語に出会ったら、辞書でその意味を調べるくせをつけましょう。

 

今回は、意味を調べるだけでなく、辞書に書いてあることに出来るだけ全て目を通します。

 

意味、活用形、例文、熟語、語源、などです。

 

これらを確認することによって、その英単語が持っているコアイメージを掴むことができます。

 

英単語は、初歩的な単語ほど多くの意味を持っています。「take」はその代表例でしょう。

take a break 休憩する

take a picture 写真を撮る

take an umbrella 傘を持っていく

簡単な例ですが、以上のように様々な場面でtakeは出てきます。

 

take のコアイメージは、以下の画像のような感じです。

 

大事なのは、コアイメージは、あくまで画像、映像的にイメージすることです。

 

ここで「掴む」や「取る」といった日本語を当ててしまうと、その訳しかできなくなる危険性があります。

 

日本語を使うのであれば、「take=自分の意志で何かを掴み取っているイメージ」といったように、頭の中の映像を説明するような形で覚えるといいでしょう。

コアイメージを掴むことで、この単語はこういった場面でも使えるのでは?と想像しながら暗記することができ、その想像がある種の「体験」になるのです。

〈語源を知る、とは?〉

コアイメージを捉えることは、簡単な単語であればかなり効果的なのですが、難しい単語となるとそれが難しい場合があります。

 

そんな時はぜひ、語源を調べてみてください。

 

英単語は、「接頭語」「語根」「接尾語」の3つの部品でできています。

 

これら3つの部品を足し合わせて、「語源」と呼んでいます。

 

つまり、英単語は3つのパーツに分解することができるのです。

 

例えば、「忘れられない」を英語にすると、「unforgettable」となります。

 

これを3つのパーツに分けると、

un+forget+able

ない+忘れる+できる

となります。

 

「unforgettable」の意味を知らなくても、「un」、「forget」「able」の意味を知っていれば、意味を推測することができます。

 

特に、主要な接頭語と接尾語を覚えておけば、単語の意味の推測やイメージがしやすくなり、暗記効率がぐんと上がります。

まとめ

単語の勉強で大切な、「音読の繰り返し」「辞書と語源の活用」の2つをご説明しました。

 

これから出会うたくさんの単語を、少しでも効率的に覚えるために、ぜひご参考にしてみてください!

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