「他動詞」「自動詞」という言葉を聞いたことはありますか?このブログを見る多くの人が、「ある」と答えるかと思います。しかし、「その見分け方は?」「なぜ見分ける必要があると思う?」と聞かれると、理解が曖昧で答えられない人も多いでしょう。
なんとなく大事な概念であることは分かるけれど、説明されてもあまり頭に入ってこない、ということはないですか?「他動詞」と「自動詞」の概念は、理解するだけで読解、作文の質が何段階も上がるほど大切なものです。
今回は、この記事だけで「他動詞」「自動詞」の基本が網羅できるよう、説明していきます。
「他動詞」と「自動詞」の違い
見分けるポイントは、目的語を取るか、取らないか
ひとことで説明すると、他動詞は直後に目的語を必要とする動詞、自動詞は直後に目的語を取らない動詞です。
例えば、「ニューヨークに行く」を英語に直す時に、動詞として「go」と「visit」が浮かんだとします。以下、それぞれを使った時の英訳です。
他動詞
I visit New York.
visitの後ろには直接目的語が来ているので他動詞です。
自動詞
I go to New York.
goの後ろには目的語(名詞)の手前に前置詞を置いているので自動詞となります。ちなみに、前置詞+名詞のかたまりで副詞の役割を持ち、動詞を修飾(くわしく)することができます。修飾語である副詞は、あってもなくてもいいものですね。
この説明で十分理解できれば、ここで説明は終わりです。この段階で、「ピンとこないな、、」と言う人は、「目的語」という言葉の理解、ひいては「文型」の理解から始めてみましょう。
目的語とは?文型とは?
英語には決まった語順があり、語順によって文の型を作っています。その型を文型といいます。英語で一番良く使用するのは、以下の文型です。
誰が(主語) 何する(動詞) 何を(目的語)
動詞の後ろにくる「何を」にあたるものが、「目的語」です。この文型では、必ず他動詞を使います。つまり、目的語は、動詞に対し、「何を?」と聞いた時の答えにあたるものなのです。言い換えると、他動詞は、「何を?」と聞きたくなる(聞く必要がある)動詞で、直後に答えである目的語を入れることができる動詞なのです。
以下に、他動詞の例を挙げてみます。
他動詞:know(知っている)、have(持っている)、watch(見る)、cut(切る)
”I have a pen.” や、”I watch TV.”のように、後ろに目的語を取るものばかりですね。
逆に、動詞に対して、「何を?」とはならないもの、聞かなくても良いものが自動詞です。
以下が、自動詞の例です。
自動詞:run(走る)、swim(泳ぐ)、live(住んでいる)、stay(滞在する)
どこに?や、どのように?と聞くことはできますが、「何を?」とは聞けませんよね。「何を?」と聞けないから自動詞!という判断で大丈夫です。
見分けるメリット
文型の理解、文章の理解につながる
他動詞、自動詞を見分けることで、読んでいる文の文型を把握することに繋がります。文型が分かれば、品詞が紛らわしい単語の意味理解を促し、文章全体の理解につなげることができます。単語の並びから、意味を繋いで何となく訳すことがなくなり、正確に訳す力を養うことができます。
単語の意味を推測することができる
動詞の種類は多く、覚えきれませんよね。知らない単語を目にしても、他動詞か自動詞かを判別するだけで、意味まで推測できることがあります。他動詞だから次に来ているものは目的語なので、この目的語をとりそうな動詞の意味はこれかな?自動詞だから意味はおおよそこうかな?といった形です。
まとめ
他動詞は何を?となる動詞、自動詞は何を?とならない動詞
他動詞の後ろには名詞(目的語)がくる
自動詞の後ろには前置詞+名詞のかたまり(副詞)を付けられる
文型を勉強すればより理解が進む
何を?となるかどうか、という判断軸だけでは見分けるのが難しい動詞も一定存在します。また、自動詞と他動詞の両方の意味を持つ動詞もあるので注意が必要です。他動詞だと間違われやすい自動詞、自動詞だと間違われやすい他動詞に関しては、別の記事で紹介しようかと思います。辞書を引くと、動詞の欄には必ず他動詞(他)か自動詞(自)が明示されているので、確認する習慣をつけると、英語学習がワンランクアップしますよ。